『タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜』/生涯の友人を想う

フィルム・ショーケース

Summary

1980年5月、韓国光州市で蜂起した市民や学生に対して、軍部が銃撃戦を展開した「光州事件」を世界に伝えたドイツ人記者のピーターと、彼と彼が撮影したフィルムを守ったタクシー運転手のキム・マンソプにスポットライトをあてた、史実に基づくヒューマンドラマ。

Story & impression

タクシー運転手のマンソプは、妻に先立たれ、日々の生活に追われながら子供を育てていた。光州市での騒ぎの一端を嗅ぎつけた日本在住のドイツ人記者のピーターを、高額の報酬をもらう約束でソウルの金浦空港と光州市の間の送迎をすることに。

ようやく辿り着いた光州市で2人が目にしたものは、軍部によるデモの弾圧と、容赦なく民主に対して銃口を向ける悲惨な姿だった。しかし、軍部による光州市の閉鎖や、報道統制によって、真実は闇の中に葬られるかに。

ピーターが撮影したフィルムを日本に持ち帰って報道することで軍部の暴虐を止めさせようと、マンソプも光州の人たちと共に闘う決意を固める。光州のタクシー運転手達と力を合わせて軍部に立ち向かい、追手を振り切る必死のカーチェースは、感動的ですらある。

日本に舞い戻ったピーターの報道により、韓国の軍部の暴虐は周知のものとなり、後年、彼の業績は韓国政府からも高く評価された。

光州事件を世界に伝えるという約束を果たしたピーターは、もう一つの約束であるマンソプとの再会を果たすべく、彼の姿を探しつづける。この映画のエンドロールでも、ピーター本人がマンソプとの再会をどんなにか待ち望んでいるかを語りかける生前(2016年1月他界)のビデオメッセージが流れる。

本編では、ピーターの活躍を遠くから祝福するマンソプの姿が描かれているが、実際には、光州事件の4年後に癌で他界していたことが、この映画の公開(2017年8月)によって、マンソプの子供が名乗り出たことによって明らかになった。

ピーターの気持ちが届いたからこそ、マンソプの所在が明らかになり、死してなお、2人の再会の約束が叶ったものと思いたい。

投稿者のこだわり

Takashi
Takashi
「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。

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