『スーパーサイズ・ミー』/ファーストフードに潜む「不都合な真実」

フィルム・ショーケース

モーガン・スパーロック(監督・主演)が自らの身体を実験台として、ファーストフードが人体に及ぼす影響を1ヶ月に渡って報道するドキュメンタリー映画。

ファーストフード業界は、膨大な広告宣伝と、巧みなロビー活動を通して、学校給食や病院内のテナントに進出するほど、社内の隅々にまで拡がっている。

人々の健康を害しているにも関わらず、いわゆる「不都合な真実」を隠しながら、巨万の富をあげるファーストフード業界に対して、生身の身体1つで真っ向から立ち向かう。

その方法とは、毎日、朝昼晩、3食ともマクドナルドの食事を1ヶ月間食べ続けるというもの。そして「スーパーサイズはいかがですか?」と聞かれた時には、「YES」と答えることを自らに課す。(多くの人は、巨大サイズにも関わらず料金がほとんど変わらない「スーパーサイズ」を選ぶ。)

ヴィーガン(=ピュアベジタリアン)のガールフレンドと暮らすモーガンの体は、健康体そのもの。

医師や栄養士によるメディカルチェックを受けながらの実験が始まると、モーガンの体には、客観的なデータの異変が生じ、嘔吐、鬱症状、性欲減退、肝機能低下などの様々な症状に悩まされる。

ファーストフードには中毒性があり、「もう食べたくない」「体調が悪い」という状況でも、ハンバーガーを食べた直後には気分が高揚する。

途中でドクターストップを受けながらも、1ヶ月間、ひたすらマクドナルドだけの食生活を完遂する。

モーガンは、繰り返しマクドナルドへのインタビューを試みるが、「折り返し連絡する」と返答するマクドナルドの広報担当からの連絡は遂になかった。

このドキュメンタリー映画の影響力は高く、後日、マクドナルドは「スーパーサイズ」の提供を廃止している。

アメリカでは、いくら銃規制が必要だと言われても、全米ライフル協会などの力を持つロビー団体が政界に深く入り込んでいることと同じように、「不都合な事実」は、富と時の権力によって抑え込まれる。

その一方で、ひとりの個人であっても、堂々と自らが信じることを主張して、社会への影響力を及ぼす。

アメリカの社会の影と光としても興味深い作品。

投稿者のこだわり

Takashi
Takashi
「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。

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