スタートアップの成功確率をあげる/顧客理解をサイエンスする

デジタル時代のビジネススキル

「スタートアップの9割は失敗する」と言われています。

失敗の原因は、情熱が足りないからでしょうか?
それとも、計画がずさんだったからでしょうか?

熱い想いや緻密な事業計画も大事ですが、「誰のどのようなプロセスにおけるどのような課題を解決するのか?」といった「顧客理解(カスタマーインサイト)」をサイエンスすることが最も大事なことだと思います。

やっている感満載?

ビジネスを始めようとする多くの方は、「このソリューションでお客様を幸せにしたい」という強い使命感とパッションを抱いていると思います。

「こういう商品が欲しいはずだ!」→「よし。急いでプロトタイプを作ってローンチしてみよう!」→「ほら。ページビューが上がったぞ!」という具合に「やっている感」を覚えるものの、立ち上がらないままにリソースが尽きて撤退するというケースが多いようです。

<補足>
実用最小限の製品(MVPMinimum Viable Product)をいち早く市場に投入してその反応を見て素早く改良を加えていくという「リーンスタートアップ」を以前取り上げました。リーンスタートアップはもちろん大切ですが、それだけでは十分とは言えないということが今回の記事の趣旨です。

虚栄の指標を測っている?

「リーンスタートアップ」の著者のEric Riesは、「検証に必要なデータの多くは虚栄の指標であり、あなたを安心させるが何をすべきかの明確なガイダンスは提供してない。」と言っています。

”The only metrics that entrepreneurs should invest energy in collecting are those that help them make decisions. Unfortunately, the majority of data available in off-the-shelf analytics packages are what I call Vanity Metrics. They might make you feel good, but they don’t offer clear guidance for what to do.”

「起業家は自分が見やすいものを見ている」という警鐘が込められていますが、起業家にとって大切なことは、自分を肯定してくれる情報を見つけて安心することではないはずです。

Steve Jobsが、“People don’t know what they want until you show it to them.”と言っていているように、本来の起業家の仕事とは「顧客が本当に欲しいものを見つけること」です。

では、顧客が本当に欲しいものを見つけるためにはどうしたらよいでしょうか。

学習を加速する!

自分の想いを裏付けることに一生懸命になるのではなく、そもそも「誰のどのようなプロセスにおけるどのような課題を解決するのか?」という「顧客理解(カスタマーインサイト)」を深めていくことこそが大事なのです。

アメリカの女性起業家のCaterina Fakeの言葉を借りれば、「一生懸命に仕事をすること以上に、正しく課題に取り組むことの方が大切である(“Working on the right thing is probably more important than working hard,”)」ということです。

「顧客理解」への具体的なアプローチとしては、まず「誰の」にあたる登場人物を洗い出し、その「ペルソナ(=経歴、考え方、こだわりなど)」を具体化して、どんな心理的な状況で、どのようなプロセスが展開されているのかという「カスタマージャーニー」を洗い出しながら「仮説構築」をします。

そして、感度の高いお客様が感じている不満を直接聞き出す「ヒアリング(一次情報の収集)」を実施していきます。さらに、インタビューデータをグループ化しながら不満の本当の原因を言語化して「仮説検証」を展開していきます。

スタートアップ時には、「顧客理解」を客観的にサイエンスすることが大切なのです。言い換えれば、「お客様と対話しながら自社の商品やサービスを磨いていく」という取り組みを論理的に展開することこそがやるべきことなのです。

そして小さな組織である利点を活かして、「仮設→ヒアリング→仮説検証」の学習サイクルを加速していくことでさらに成功確率を高めていきます。

私自身も成功確率を高める仕組みを「武器」として積極的に活用しながら、ビジネスを立ち上げるプロセスを楽しんでいきたいと思います。

※この記事は、田所雅之氏の発表内容を参考にしています。

投稿者のこだわり

Takashi
Takashi
「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。

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