2002年ソルトレークシティーオリンピックのアメリカ最終予選に登場したモリ―・ブルームを襲った不慮の事故と、その後の波乱万丈の人生を描いた実話。
小さいころから父親のスパルタ教育のもとスキー選手として頭角を現したモリ―。
再起不能と言われた急性脊椎側彎症による手術を乗り越えて、ソルトレークシティーオリンピックのモーグルアメリカ代表の最終予選に挑む。
前を滑るライバルの不振により、実力的にはオリンピックの表彰台も可能な立場でモリ―の滑走の順番が巡ってきた。
学業も優秀なモリーには、オリンピック後のロースクール卒業と女性起業家支援ビジネスの立ち上げという輝かしい未来への道も開けたかに思えた。
視界が悪いため、選手の目印になるようにと、ジャンプスロープの前には松の小枝がまかれていた。
凍った小枝の先がモリ―のビンディングのフックにひっかかり、スキー板が外れ、空中に飛び出したモリ―の身体は激しく雪面にたたきつけられた。
確率的にはあり得ない一瞬の出来事によって、モリ―の人生(Molly’s Game)は、スキー競技というゲームから、ポーカーというゲームの胴元へと切り替わってしまう。
家族との不仲な関係に嫌気が差し、都会へと出て行ったモリ―は、合法的にポーカークラブを営もうしたが、やり手の手腕が仇となって深みへとはまっていく。
FBIに捕まったモリーは、顧客情報を提供すれば減刑や没収財産の返却も可能だったにも拘わらず、「顧客にはそれぞれの家族と人生がある」と頑なに拒否する。
モリーが最後まで守りたかったもの。
…それは、彼女自身の家族との平穏な日々だったのでは。
父親との和解をはたしたモリ―が口にするウィンストン・チャーチルの言葉が耳に残る。
Success is the ability to go from failure to failure without losing your enthusiasm.
(成功とは、失敗を重ねても、やる気を失わないでいられる才能である。 )
遠回りはしたものの、彼女はようやく家族との平穏な生活を手に入れた。
<投稿後記>
主演のジェシカ・チャステインは、知的な役が多いですね。
ロビイストを演じる『女神の見えざる手』もおすすめです
投稿者のこだわり

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「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。
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