重くかさばる日用品や食品を玄関まで届けるという補充型のECビジネスとしてLOHACOのビジネスモデルには特徴があります。
買い物よりも便利で、楽(らく)で、楽しいという評価を得て、30代から50代の女性を中心に人気があります。
お客様に寄り添ったビジネスのポイントをLOHACOに学んでみたいと思います。
<補足>
ECビジネスのプラットフォーマーについては、既に、楽天市場とAmazonについて記事を書きました。今回はLOHACOです。
LOHACOとは
LOHACOは、アスクルが2012年にスタートした日常生活用品を扱う個人向けのECサイトです。
1時間単位での配達時間指定ができる「Happy on Time」も人気の理由の1つです。「いつ来るかわからない配達を待つ」というストレスもありません。
LOHACOの特徴としては、例えば、お米を買うタイミングで、洗剤、トイレットペーパー、コーヒーなどの日常生活の中でなくなりそうなものを10~15アイテム程度まとめて買うといった周期的な購買が多いようです。
他のECサイトが、「サイトへの顧客の訪問数×コンバージョン率(訪問後購買に至る比率)×単価」でビジネスをしているのと大きな差異があります。
ECマーケティングラボ
LOHACOは、取引をしている150社程度のメーカーに対して、一緒にデータ活用して商品開発に活かすECマーケティングラボという場を開放しています。
ECマーケティングラボの精神は「自由・オープン・共創」で、競合他社の購買データにも触れることができ、仮説を立てテストマーケティングも行います。
<補足>
このブログで以前取り上げた「デザイン思考」や「リーンスタートアップ」とも重なります。
暮らしになじむデザイン
こうしたLOHACOの活動は、生活者起点でのデザインとして活かされています。
スーパーなどで売られている商品は、「店頭で目立つこと」や「特徴を前面に出すこと」などに重きが置かれて、目を引くようなドギツイ色彩や、特徴を訴求するキャッチがドカンと躍っています。
LOHACOでは、店頭を通さないECだからできる生活者起点のデザイン商品を販売することで、忙しい生活を送りながらも丁寧に暮らしたいという女性の支持を得ています。
一例として、大王製紙がLOHACOで販売している生理用品の「エリスMegami」は、保管・持ち運びに適した落ち着いたブラウンの包装が特徴です。
同様に、花王の「リセッシュ」も中身は市販品と同じながらパッケージデザインが大きく違います。
また、缶ビールにおいては、横向きにパッケージすることで、冷蔵庫にすっきりと収納して簡単に取り出せる「コロコロストッカー」という形状で販売されています。
これからのECビジネスに求められるもの
世帯数は昭和60年の3,800万程度から5,300万程度へと増えていますが、世帯当たり人口は3人を上回る状況から2.5人を下回る状況へと変わり、「個」に向けた商品が求められている時代です。
マス市場を追うのではなく、スモールマス市場となったお客様の声(=データ)に目を向けて、お客様の生活シーンでの課題に応えるエッジが利いた商品を提供していくことが求められます。
お客様と共に育つことこそが成功の秘訣ですね。
※写真はLOHACOのサイトより。
<投稿後記>
この記事は、お客様と共に育つビジネスの立ち上げをめざす「おたがいさまビジネスチャレンジ(ブログ)」の「コーヒーECビジネスへの挑戦」に投稿したものです。
コーヒーのECビジネスを起業したいと思っていますが、ECプラットフォームの活用も踏まえて検討してきたいと思います。
投稿者のこだわり

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「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。
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