『ぼくと魔法の言葉たち』~ディズニー映画と家族の愛情に支えられて~

フィルム・ショーケース

自閉症により2歳の時から言葉を失いコミュニケーションが取れなくなったオーウェンが、ディズニー映画と家族の献身的な愛情を通して、言葉と人生を取り戻していくドキュメンタリー。

他の子供たちに比べて、少し動作が遅いぐらいでごく普通に見えたオーウェンの様子は、彼が2歳の頃に急変する。

ちょっとした刺激に対して過敏になり、周囲の情報が凶器のようにオーウェンを襲う。

そんな閉じ込められた世界に一人置き去りにされて、現実の社会との接点をつかめなくなっていたオーウェンは、来る日も来る日も、ディズニー映画のビデオを擦り切れるほど観ていた。

ある日、オーウェンの父親は、彼がもごもごと口にする言葉が、ディズニー映画のキャラクターのセリフであることに気づき、パペットを使ってオーウェンと会話することに成功したことをきっかけとして、オーウェンを閉ざされた闇の世界から、現実の社会へと引き戻していく。

二度と会話することすらできないと言われていたオーウェンには、ガールフレンドができ、学校を卒業し、両親からも独立した生活もはじめる。

しかし、ディズニー映画を通して身に着けたことを使って現実の社会の出来事を理解していくオーウェンには、上手く理解できないことも。

そんなひとつが女性との接し方。

ディズニー映画でのラブストーリーはキスシーンで終わるが、オーウェンの兄が一生懸命に説明しても、キス以上のことをオーウェンは自分のこととして置き換えることができない。

現実の社会は、時に容赦なくオーウェンに試練を与える。

ガールフレンドから別れを伝えられたオーウェンは、ピュアな心ゆえに、人一倍に酷く傷心して立ち直れない日々が続くが、家族に支えられて「良い友達でいよう」というメールを送ることができるまでに回復する。

両親は、自分達がいなくなった後もオーウェンが生きていけるためには、「失敗も挫折も味わって乗り越える術を身に着けてほしい」と、盲目的にオーウェンを守るのではなく、時には距離を置いて、深い愛情を持ってオーウェンを見守る。

ハンディキャップを背負いながらも、精一杯に生きることをあきらめないオーウェンと、それを可能にするための家族や社会のサポートが素晴らしい。

オーウェンは、自閉症の人から見える世界を、自らの言葉で語りかけ、自閉症の人への理解の輪を広めるためにパリの学会にも参加する。

自閉症を持つ人の人生が、他の人の人生に比べて不幸せなどと誰が言えよう?

オーウェンは、こんなにも素敵に生きている!

毎日の生活を普通に送れることに感謝の気持ちが広がる。

オーウェンは今、大好きな映画館で働いている。

投稿者のこだわり

Takashi
Takashi
「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。

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