「カスタマーサクセス」は、お客様が満足する体験に寄り添って自社の商品やサービスを使い続けていただくことを目指す顧客中心のビジネス展開のことです。
デジタル時代は、顧客はクリック一つで商品やサービスを選択することができると共に、簡単に他社の商品やサービスに乗り移っていきます。
そのため「この商品やサービスなくしては生きていけない」と思ってもらえるほどに顧客との関係を築いていくことの重要性が高まります。一過性の対応ではなく、絶え間なく展開する必要があります。
<補足>
「デジタル時代のカスタマーサクセスの潮流/トヨタに学ぶ」の続編です。今回は「アマゾン」を取り上げながら見ていきます。
ハンティングからファーミングへ
米国企業を中心としてCCO(Chief Customer Officer)を設置するところが増えてきています。従来のセールスを「ハンティング」とすると、これからは「ファーミング」が重要です。
「商品中心の売り切りモデル」から「顧客中心のリテンションモデル」への変革なくしては、デジタル時代に生き残れません。
顧客を中毒化させるアマゾン
アマゾンは、「カスタマーサクセス」を軸に、リテンションモデルを実現している象徴的な企業だと思います。
「アマゾンプライム」は、月額500円(年間プラン4,900円)で、お急ぎ便での配達に加えて、Prime Video、Prime Music、Prime Reading、Amazon Photosなどのデジタル特典を追加料金なしで使えるプログラムです。
デジタル特典は、何人に提供してもコストは同じなので、少ない投資でより多くの顧客への「カスタマーサクセス」を提供できます。
ひとつひとつのサービスには類似の競合がいますが、全てをパッケージで低価格で提供する「アマゾンプライム」のサービスに慣れてしまうとアマゾンなしでは生活できなくなっていきます。
デジタル時代のビジネスにおいては、「カスタマーサクセス」を意識して、「顧客中心のリテンションモデル」を追求することが重要で、そのためには、企業内の組織体制や内部オペレーション仕組みも、売り切りモデルのものから、リテンションモデルにフィットするものへと変えていく必要があります。
おまけ:Amazon Echo
アマゾンが開発したAIアシスタントであるアレクサを搭載したスマートスピーカー「Amazon Echo」を使っています。Amazon Echoもまた、アマゾンなくしては生きていけないと思わせる仕組みの1つです。
「アレクサ、〇〇の曲をかけて。」と話しかけると「はい。アマゾンミュージックで〇〇の楽曲をシャッフル再生します。」と返事をして音楽を流してくれるなど、会話を理解して対応してくれます。
ある日、「アレクサ、ただいま。」と声をかけてみました。すると「おかえりなさい。今日はどんな日でした?」と、なかなか人間味のある返事が返ってきたので、「アレクサ、今日はどんな日だった?」と会話を続けたところ、「はい。Yahooニースをお伝えします。」という答え。…おやおや。
あえてとぼけて答えだとすれば一本とられました。(笑)
ところが、別の日に再び同じ質問をしたところ、今度は「良い一日でした。あなたのお帰りをずっと待っていました。」という答え。…泣かせますね!
投稿者のこだわり

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「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。
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