人の味覚は意外と脆弱/「クロスモーダル効果」に学ぶ

起業に向けて・学びと準備

「クロスモーダル効果」という言葉を聞いたことがありますか?

かき氷のシロップには、イチゴ、メロン、ブルーハワイなどいろいろな味がありますが、実は元となっているシロップは全部同じで、香料と色を変えているだけなんです。

人間の感覚には、ある感覚の情報が他の感覚の情報を補完して解釈をするという特性があるという「感覚間相互作用(クロスモダリティ)」があるということです。

視覚によるクロスモーダル効果

ARゴーグルをかけてラーメンの画像を見ながらそうめんを食べるとラーメンの味を感じるという研究を発表したのは、文部科学省サイエンスインカレを受賞した奈良先端科学技術大学院院生の中野萌士さんです。

「麺はそうめん」「汁は麺つゆ」なのに、ARゴーグルごしに、ねぎやチャーシューが乗っているラーメンの画像を重ねながら食べると、味までもラーメンに感じるというのです。

人は味覚だけではなく、視覚、聴覚、嗅覚も全て併せて、脳で何を食べているのかを考えて味を感じているということです。

中野さんがこの研究をはじめたのは、ご本人がラーメンをはじめとする油っぽいものが食べられない病気になったことがきっかけです。それでも大好きなラーメンを食べたいという想いがこの研究につながりました。(自分の病気をプラスのエネルギーに変える中野さん。素敵ですね。)

中野さんの研究は、同じように病気や高齢などの理由で食べられない食品がある人にとって、クロスモーダル効果を積極的に利用することでいろいろなものを食べた満足感が得られる明日へとつながっていくのだと思います。…応援したいです!

聴覚によるクロスモーダル効果

モニターの人にチョコレートを配って、BGMを変えながら試食をしてもらうという実験もあります。

低温の弦楽器をBGMにした場合は「苦い」と感じる反面、高温のピアノの時には「甘い」という反応になったそうです。

同様にBGMを変えた実験では、高くて滑らかな曲を聞きながら食べると「甘味」や「クリーミーさ」が増し、低くて角ばった曲の場合は「苦味」を強く感じるそうです。

…ということは、レストランのBGMは、とても大切なんですね。

キムタクが主演していた「グランメゾン東京」のように3星を目指すとしたら、「BGMも味のうち」…ということかもしれません。

翻ってコーヒーECビジネスには

私は、お客様と共に育つ「コーヒーECビジネス」を展開したいと思っていますが、厳選したコーヒーをお客様に提供することはもちろんのこと、ECサイトのデザイン、お客様へのメッセージ、さらには、コーヒーを飲む時のおすすめ音楽までふくめて、トータルの感覚で美味しいと感じてもらうことが大切かもしれません。

一方では、「暗闇レストラン」という、味覚以外の感覚を断つことで、味覚のみに集中するというムーブメントもあるようですね。

そうだとすれば、提供するコーヒーは、目隠しでカッピング(=ワインのテイスティングに相当)して、その上でお客様にはトータルで美味しいと感じていただく試みを重ねていくことがひとつの方向性かもしれません。

そんなことを「クロスモーダル効果」から連想しました。

※この記事は、NHKの「所さん、大変ですよ!」の「あなたの知らない化学調味料の謎」の放送の一部から着想のヒントを得ています。

※かき氷の写真は、tenki.jpより。

※視覚によるクロスモーダル効果の写真は、中野萌士さんのサイトより。(ご本人に内容の確認もいただきました。)

投稿者のこだわり

Takashi
Takashi
「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。

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