ビジネスドラマとして観た『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』

フィルム・ショーケース

観ているだけで食欲がそそられるグルメ映画って、たくさんありますよね。

『大統領の料理人』『シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏にようこそ~』『二ツ星の料理人』『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』『幸せのレシピ』などなど。

そんなグルメ映画の中で、『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』は、腕が良いが今一つぱっとしないシェフのカール、10歳の息子のパーシー、カールの元同僚のトニー、元妻のイネズ、そしてカールを酷評する料理評論家のラムジーといったメンバーが織りなす「フードトラックでのサンドイッチの移動販売の旅」を描いた映画です。

ストーリーの流れのままの「あらすじ(表読み)」と、すこし捻った「あらすじ(裏読み)」の両面から、この映画の魅力を紹介します。

あらずじ(表読み)

ロサンジェルスの一流レストランのシェフ(総料理長)のカールは、料理評論家のラムジーの来店に合わせて新メニューで勝負しようとするが、これまでのやり方を変えようとしないオーナーと衝突する。

Twitterで自分の料理がマンネリ化していると酷評されていることを知ったカールは、不慣れなTwitter上で反論し、さらには感情を露わにした自分の言動がYoutube上で流さてあえなく炎上。料理人としてのキャリアが絶望的になるバッシングを浴びる。

どこのレストランでも雇ってもらえないカールは、元妻のイネズが故郷のマイアミに行く旅に、パーシーの世話役として同行することに。

そのマイアミで食べたキューバサンドイッチに魅了されたカールは、フードトラックでキューバサンドイッチを移動販売しながら、陸路でロサンジェルスまでの帰路の旅へ。

この話を聞いた元同僚のトニーは、無償でカールの手伝いを買って出る。

息子のパーシーもメンバーに加えた3人での旅の中で、カールは、お客さんの笑顔に接しながら料理人としての本来の楽しさや、父親としての息子との絆を深めていく。

パーシーがはじめたTwitterの投稿が人気を呼び、3人が立ち寄る街々では、到着を待ちわびる人が列をなす。

イネズは、父親としても、一人の料理人としても、そして一人の男性としてもカールのことを見直し、カールを酷評した料理評論家のラムジーは、カールの料理の創造性に感服し、カールとの共同ビジネスを申し出る。

自分の料理の腕だけを見つめて周囲が見えていなかったカールが、全てを失ったところから本当に大切なものに気づき、周囲との絆を結び直していくという「ヒューマンドラマ」というのが王道の表読みのあらすじです。

あらすじ(裏読み)

もう一方で、この映画は、「ビジネスドラマ」としても鑑賞することができます。

不慣れなTwitterへの軽率な返信と、感情に任せた暴言シーンのYoutubeへの投稿により、一夜の内に炎上を招き、激しいバッシングにより全てを否定されたカール。

しかし、炎上によって急速に増えたフォロワーに向けて、旅の様子とキューバサンドイッチの魅力をGPS情報をつけてパーシーがSNSに投稿したことで、彼らの行く先々でたくさんの人達が彼らの到着を心待ちにするほどの人気ぶりに。

SNS等を使ったデジタルマーケティングは、今やほとんどのビジネスで活用され、企業の規模とは無関係に一個人であっても対等に競争ができ、費用も時間もかけずに一夜のうちに「バズる」ことも。

しかし、パーシーが行った一連の投稿は、偶然にバズったのではなく、顧客の行動を先回りして、顧客の期待を膨らませ、自分たちならではの「らしさ(Only One)」としての認知を勝ち取った「極めて戦略的なデジタルマーケティング活動」だったのでは。(ビジネスをするなら、パーシーのようなCMO: Chief Marketing Officerをパートナーに迎え入れたいですよね!)

この映画をデジタルマーケティングの「危うさ」と「成功に向けた戦略」を教えてくれるビジネスドラマとして鑑賞した私は、少しばかり穿った観方をし過ぎたでしょうか?

投稿者のこだわり

Takashi
Takashi
「おたがいさま」という日本語が好きです。お客様と共に育つ「おたがいさまビジネス」の起業をめざします。
「早く行きたければ1人で行け。遠くまで行きたければみんなで行け。」という諺も好きです。価値観を共有する人達と力を合わせて遠くへ飛ぶことをめざします。

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